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カラーを活かすコラム

ちょっと神経質そうに骨ばった手

I&I アヤナイ・ミュージックの2階に置いてあるオルガンの元主人、
叔母のともちゃんは、生前、東京に住んでいて、
わたしが子どもの頃は、いつもお土産にマロングラッセを買ってきてくれました。

 

姉にはスヌーピーのグッズ、兄にはクラシックのレコード。
クラシックは、聴いてもさっぱりわからず、すっかり大人の音楽でした。

 

年に1,2度来るともちゃんに「ピアノ、弾いてみて」と言われて
たどたどしく弾いていた記憶があります。
クラシックをよく聴くともちゃんの耳に
ヘタクソなピアノがどう聞こえていたのか
今考えても恥ずかしいくらい。

 

「やっちゃんは指が長くてカッコいいね。
手だけでも東京に持って帰りたいわ」
そういって、よく手を握ってくれました。

ともちゃんの手は、ちょっと神経質そうに骨ばっていました。

 

わたしの手も年齢を重ねるごとに、血管が浮き立ち骨ばってきました。
手の形は変わっていっても、ずっとピアノが弾ける指であったらいいなと思います。

No.10