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カラーを活かすコラム

習慣を淡々と続けることで時間を刻む

7月10日に仙台市で行われたコンクールに行ってきました。
コンクールチャレンジはこれで4回目。

もう恒例行事。

 

きっかけは、2019年。
信じていたものが幻想で、安定だと思っていた未来が変わったこと。

 

気力が保てなくなりそうで、
日常に負荷をかければなんとか維持できるのではと

思いついたのがコンクール。

 

 

「まわりのすべてが崩壊してしまったとき、人をまっすぐ立たせておいてくれるのは、決まった習慣だ」
村上春樹が翻訳して話題となった『極北』(マーセル・セロー著)の一節。

 

あまりにもつらい出来事があったときでも、それまでに身についた習慣を淡々と続けることで時間を刻み、いつしか悲しみが薄らいでいくことがあります。

 

決まった時間に食事を作るとか、散歩をするとか、もちろん、ピアノを弾くとか。

 

目標をたて、毎日決まった時間に決まった練習をする。
やらねばならぬことを作る。
コツコツ練習をずっとずっと続ける。
できないと思っていたことが、少しずつできるようになる。

 

そんなことの繰り返しが、単純に自分を保つことにつながりました。

 

「コンクールに出たいんです」と先生にお願いしたときはとても勇気がいりました。
学生じゃあるまいし、音楽の道を目指しているわけでもないし、その先に何かあるのか?
それでも、その気持ちを受け取ってもらって。

 

わたしは一曲仕上げるのにとても時間がかかります。
何ヶ月も同じ曲をレッスンすることになるので、先生も忍耐がいるだろうなと思います。
それでも、いつも全力で向き合ってくれて。

 

先生には、ただただ感謝です。

 

人の行為には、一つの理由だけでは収まりきれないたくさんの理由があって、自分自身でも気づいていないものもあるように思います。
毎年コンクールにでることの理由は、もう最初の理由とは違ってきています。
でも、それでいい。

 

チャレンジすることを応援してくれる人がいて。
家族とも音楽の話ができたりして。

 

一つのことが起きるとなにかの反応が起きて、そのことでまた別の反応が起きる。
そうやって、また信じられるものができてきたり、未来が創られていく。

 

今年のコンクールは、終わりました。
さて、来年のわたしは未来にむかってどうするのかな。

 

No.69