人間は複雑な動きをするときは、
インプットとアウトプットを同時に記憶するのだそうです。
体操選手が、ウルトラCといった技を習得するとき、
自分の体の動きを記憶し繰り返して
シミュレーションすると同時に、
天井や壁がどんな角度で見えてくるかも記憶するのだそう。
ピアノを弾くことも同じことが言えて、
練習によって指や筋肉、関節の使い方と同時に、
ここでは右手を見る、左手を見るといった
視覚の記憶もされていきます。
そう考えてみると、いつも電子ピアノで練習しているのに、
グランドピアノになると突然演奏が飛ぶ理由がわかります。
視覚が全く変わるのも原因の一つ。
視覚だけでなく、聴覚もそう。
一音間違えると、そのあとの演奏がボロボロになったり、
ちょっとした雑音、あるいは楽器そのものの音色が違うだけで、
いつもの演奏ができなくなるということが起きます。
そういう要素に作用されないほど長期の安定的な記憶にするには、
複雑に幾つもの五感のパターンを体験していくしかないのかもしれません。
んー、奥が深い。
No.33